ドローンと法規制

2015年4月に首相官邸にドローンが侵入する事件が発生したのを変わきりに、わずか2か月で「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行禁止に関する法律案」が衆議院に提出されました。

禁止区域の追記として原子力発電所等を加えた修正案を重ねたのち、2016年3月17日に衆議院本会議にて可決、成立しました。

ドローンに関する法律といえば航空法、そう思い浮かびますが、実にさまざまな法律が関わっているのです。このページでは簡潔に説明いたします。

小型無人機等飛行禁止法

この法律は、ドローンを規制するという意味では航空法と似ていますが、目的が異なります。

航空法ドローンを安全に飛行させることが目的である
所轄:国土交通省
小型無人機等飛行禁止法国政の中枢機能や公共の安全の確保が目的である
所轄:警察庁

小型無人機等とは?

規制の対象となるものは

  • 無人飛行機(ラジコン飛行機等)
  • 無人滑空機、無人回転翼航空機(ドローン等)
  • 無人飛行船 等
  • 気球
  • ハンググライダー
  • パラグライダー 等

ラジコンやドローンだけではなく、人が飛行することもできる「特定航空用機器」も含まれることから、”等”という表現を用いられています。

尚、重量が200g未満のものでも対象施設周辺地域の上空では飛行が禁止されています。

無人航空機等飛行禁止法の概要

出典:警察庁 > 小型無人機等飛行禁止法における規制の概要

ドローンの飛行は適切な場所にて、安全に行いましょう。

各自治体によるドローン規制

国による航空法や小型無人機等飛行禁止法がありますが、地方レベルでの規制もあります。

  • 既存の条例に基づくもの(公園条例や庁舎管理規制など)
  • 新規に法令を制定するもの

大都市などの地方自治体では、各自治体が制定した公園条例に基づき、公園でのドローン飛行を原則禁止しています。これに違反した者は5万円以下の過料が科されます。

地域により禁止条項が異なりますが、人口集中地区では原則禁止です。地方自治体レベルでのドローンに対する扱いはさまざまですので、施設管理権を持つ場所でのドローン飛行をさせる場合は留意してください。

また、サミット開催時の対象地域および対象施設周辺地域の上空の飛行禁止など、新規に条例を制定するものや、イベント時のガイドラインとして規制を促すものがあります。

他人の所有する土地上空での飛行(民法)

ドローンが他人の所有する上空を飛行するケースでは、主に民法が関係してきます。

民法に違反したとしても刑罰は科せられませんが、第三者が土地所有権を侵害された場合は、損害賠償を請求したり、その土地でのドローン飛行を差し止め請求を行えます。

土地所有権は上下に及ぶ

民法207条では「土地の所有権は法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と規定されています。

建築物や農地、駐車場とさまざまありますが、土地の上空のどこまでが規制されているかは、民法207条において

  • 法令の制限内
  • 利益の損ずる限度

これら2つの制限があります。

法令の制限内においては、航空法の観点も考えられますが、仮に航空法上での許可承認を得ていたとしても、土地の所有権を侵害しないかは別問題となります。

また、利益の損ずる限度とは、土地の所有権が及ばないか?という一方で、仮に及ぶとしても、土地所有者が主張することが、権利濫用であることを認めないことが考えられます。

無人航空機等と土地所有権の関係は慎重に考える

無人航空機等は、航空法により許可がなければ地上または水面から150m以上を飛行させることができませんので、航空機よりも低空で飛行させることが想定されることから、土地所有権との関係性は密接に考える必要があります。

将来的にはドローンでの配達をするケースもあり、全ての土地所有権を得ることも土地所有権を認めることも難しいことが問題として挙げられます。

そういった点では、ドローンの社会的な受容や安全性の確保が要となるでしょう。

道路および河川等(道路交通法、河川法)

道路等の公の土地においてのドローン飛行は、道路交通法77条に定める許可が考えられますが、警察庁での「国家戦略特区等提案検討要請回答」において、

道路における危険を生じさせ、交通の円滑を阻害する恐れがある工事・作業をする場合や道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような撮影等を行おうとする場合は、ドローンを利用するか否かにかかわらず、道路使用許可を要するが、これらに当たらない形態で、単にドローンを利用して道路上空から撮影を行おうとする場合は、現行制度上、道路使用許可を要しない。

提案管理番号062040

と、回答しており、原則として道路使用許可は必要ではないことを明らかにしています。※総務省ガイドライン脚注16に記載されています。

また、

道路交通法76条道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となる恐れがある行為を禁ずる
総務省ガイドライン道路交通法は車や人にぶつけるなど道路を通行中の車や人の交通を妨害することが明らかな態様で飛行させるものでない限り、ドローンの道路上空の飛行を禁止していない

となっており、通常は道路上空のドローン飛行は禁止されておりませんが、道路または歩道からドローンを離着陸する場合は、道路使用許可を所轄警察署から取得する必要があります。

電波法

ドローン飛行には電波は欠かせません。それと同時に電波法という総務省の所轄するもとで規律されています。

ドローンを飛行させるには大きく分けて3つの電波が用いられます。

画像伝送ドローンから送られる画像データ
データ伝送機体の状態や各機器の情報等、画像以外に送られるデータ
操縦用コマンド伝送送信機から機体へ送る制御情報

電波を使用するには無線局の免許が必要です。しかし、市販のホビー用ドローンが発射する電波は微弱な無線局や特定の用途に使われる省電力の無線局にあたるので、基本的には免許は不要です。

その一方で、産業用ドローンについては留意しなければいけません。

総務省は、2016年8月31日付けで電波法施工規則、無線設備規則および電波法関係審査基準を改正しました。

この改正された新たに割り当てられた電波は強力になっているので、該当する産業用ドローンを用いる場合は無線局免許を取得する必要があります。

編集中。

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